車がオーバーヒートする原因とは?

車がオーバーヒートする原因とは?

「そのまま乗り続けると危険」な理由と、知っておくべき現実

ある日、運転中にメーターを見ると、
水温計が赤いゾーンに近づいている。
警告灯が点灯している。
エンジンルームから、いつもと違うニオイがする――。

これは、車のオーバーヒートが起きている、または起きかけているサインです。

「少し休めば大丈夫でしょ?」
「昔の車じゃないし平気では?」

そう思う人も多いですが、実はこの判断が一番危険です。


そもそもオーバーヒートとは何か?

車のエンジンは、
ガソリンを燃焼させて大きなエネルギーを生み出しています。
当然、ものすごい熱が発生します。

その熱を**冷却水(クーラント)**で冷やし、
ラジエーターやファンで外に逃がすことで、
エンジンは正常に動いています。

しかし――
この「冷やす仕組み」のどこかに不具合が出ると、
エンジンの温度が異常に上昇し、
それがオーバーヒートです。

人間で言えば、
高熱が出て体が悲鳴を上げている状態。
放置すれば、取り返しのつかない事態になります。


オーバーヒートが起きる主な原因

① 冷却水(クーラント)の不足・漏れ

最も多い原因です。

・冷却水が減っている
・ホースが劣化して漏れている
・長年補充していない

これだけで、エンジンは一気に熱を持ちます。

「冷却水なんて見たことない」という人ほど要注意です。


② ラジエーターやファンの故障

冷却水を冷やす役割を持つのがラジエーター。
そこに風を当てるのが冷却ファンです。

・ファンが回らない
・ラジエーター内部が詰まっている

この状態では、
冷却水はあっても冷えません。

特に渋滞中や真夏に起きやすい原因です。


③ サーモスタットの不具合

サーモスタットは、
「エンジンが温まったら冷却水を循環させる」
という弁の役割をしています。

これが壊れると、
冷却水が流れず、
一気にオーバーヒートします。

見た目では分からないため、
突然症状が出るのが厄介な点です。


④ ウォーターポンプの故障

冷却水を循環させるポンプが壊れると、
エンジンは冷えません。

異音や水漏れを伴うことも多く、
修理費用も高額になりがちです。


オーバーヒートを甘く見るとどうなる?

「ちょっと温度が上がっただけ」
そう思って走り続けると、どうなるか。

・エンジン内部の部品が変形
・シリンダーヘッドの歪み
・最悪、エンジンが完全に壊れる

結果として、
修理費用が数十万円〜100万円以上
かかるケースも珍しくありません。

ここで重要な事実があります。


修理するか、手放すかの分かれ道

オーバーヒートが起きた車は、
表面上は直っても、
内部にダメージが残っていることが多いです。

その結果、

・修理しても別のトラブルが続く
・数ヶ月後にまた高額修理
・結果的に出費がかさむ

という悪循環に陥りやすい。

特に、
年式が古い車
走行距離が多い車
過去にも不具合が多い車

こうした場合は、
「直す」より「見直す」判断が必要になることもあります。


実は、オーバーヒート車でも価値はある

ここで多くの人が誤解します。

「オーバーヒートした車=もう価値がない」

これは半分間違いです。

実際には、
・修理前提で欲しい業者
・部品取りとして評価する業者
・海外輸出向けに買う業者

など、
見るポイントが違う業者が存在します。

ただし――
1社だけに聞くと、
「値段がつきません」と言われて終わることも多い。


後悔しない人がやっている行動

オーバーヒートをきっかけに後悔しない人は、
いきなり決断しません。

まず、

・修理費はいくらかかるのか
・今後どれくらい乗れるのか
・この車、他ではいくらで評価されるのか

これを同時に把握します。

その中で特に重要なのが、
「今の車を、複数の業者がどう評価するか」。

ここを知らずに修理するのは、
金額を見ずに高い買い物をするのと同じです。


だからこそ、一度“比べる”という選択

オーバーヒートは、
単なる故障ではありません。

「この車と、これからどう付き合うか」
を考えるタイミングでもあります。

修理して乗り続けるのか。
それとも、別の選択肢があるのか。

それを判断する材料として、
一度、複数の業者に評価してもらう。

これをやった人だけが、
「あの時、ちゃんと考えてよかった」
と言えています。